コラム column
交通事故に遭い幸い怪我がなかった時一体どういう対処をするべきか疑問に思う方も多いと思います。怪我をしていなくても車が故障してしまったことや、事故に遭った事実で精神的にも気が滅入ってしまいます。そんなときにやるべきことを知っておけば心に余裕が生まれ、事故直後でも冷静な判断ができるようになります。
交通事故に遭い、大した事故ではなかったとしてもそのまま何もなかったことにしようとするのは危険です。たとえ怪我をしていなかったとしても正しく対処することが重要です。その理由も含め今回は、交通事故で怪我がなかったときに知っておくべきことを紹介していきます。
CONTENTS
警察に連絡する
交通事故に遭遇してしまった場合、ほとんどの方が真っ先に警察や救急車を手配すると思います。そんな中、そこまで大きな外傷もなく小規模の事故だった場合、そのまま警察に連絡せず示談にしてしまうケースも少なくありません。ですが、接触事故で警察を呼ばないのは避けましょう。ここでは示談を避けるべき理由と危険性や注意点を3つ紹介したいと思います。
・賠償金が受け取れない
・原則として合意した示談を取り消すことはできない
・被害者も刑事処分を受ける恐れがある
一つずつ解説していきます。
1,賠償金が受け取れない
軽い事故であっても警察への連絡を怠らないようにすべきという話をしましたが、その理由の一つが賠償金を受け取れない恐れがあるからです。警察への連絡をせずその場で話し合いを進めた場合、のちに車体の傷や怪我に気づき保険会社に賠償金を請求しても支払いを拒否されてしまうことがあります。その傷や怪我が本当に事故で負ったものなのかを証明できず、正確に賠償額を計算できないということに繋がるからです。なので、できるだけ警察にはすぐに連絡するようにしましょう。
2,原則として合意した示談を取りけすことはできない
そもそも示談は書類などがなくとも口頭の口約束で成立してしまいます。示談交渉というのは事故が起きた直後から始まります。
たとえその時は大丈夫だったからと言ってその場で口約束でも示談が成立してしまうと非常に危険です。後々、請求を行うために示談を取り消そうとしても、取り消すことは極めて難しくなります。仮に状況的に不利な示談だったとしてもそれを証明するために状況証拠を抑えたり、訴えを起こすことが必要になるので、その場で示談にしてしまわないよう気をつけましょう。
3,被害者も刑事処分を受ける恐れがある
実は交通事故では加害者と同様に被害者が罰則を受けるケースがあります。その理由として、交通事故の際は軽い事故であっても警察申し出ることが道路交通法によって義務付けられています。もしも警察を呼ばず示談にしてしまったら、道路交通法第72条に違反してしまうことになります。小さい事故の場合、加害者側は免許の取り消しや、保険料の等級が下がるのを恐れて示談で済ませようとします。そして、被害者側もほんの些細な事故であれば話が面倒になることを拒み示談を了承してしまうことがあります。ですが、交通事故で警察を呼ばなければ被害者側も罰金などの処罰を受けることにもなりかねないので気を付けるようにしましょう。
病院へ行く
交通事故にあった際は迷わず病院へ向かいましょう。大した事故じゃないから大丈夫と思い、行こうとしない人は要注意です。事故直後に仮に自覚症状がない場合でも、医療機関で診察を受けるようにしましょう。その理由や注意すべき点を紹介していきます。
1,事故直後に病院へ行くべき理由
症状も軽傷で、事故の後も予定がありスケジュールが合わないからといって、後で行けばいいと病院へ行くのを先送りにするのは実はあまり良くありません。事故直後には痛みやしびれを感じず、数日後に症状が表れることもあります。事故から時間が経ち症状が出てきたからといって、病院へ行っても事故との因果関係を示すことができず治療費などを請求することが困難になります。交通事故で怪我をしたことがわかったらすぐに病院へ行き、損害賠償請求を行うための診断書をもらうことを優先してください。たとえ、診断書を書いてもらったとしても事故が起きた日と診断した日が離れていると、因果関係を証明できなくなるのでできるだけ早く病院へ行きましょう。
2,どの病院を選ぶべきか
では、事故にあったときに目に見える怪我をしていない場合、どの病院へ行くのが正解なのかわからない方も多いと思います。怪我の症状があればその自覚症状に応じた病院へ足を運ぶのが一番です。しかし、自覚症状がない場合は、交通事故の患者の診断をよく行なっている整形外科を受診するのがいいでしょう。そしてその中でも、症状が判明してからスムーズに治療を行えるように、さまざまな科のある総合病院の整形外科へ受診するのがおすすめです。
怪我がない場合の慰謝料
交通事故に遭って被害を受けた場合、慰謝料が請求できるのかどうか気になるかと思います。ここでは交通事故の場合の慰謝料について少し深掘りしていきたいと思います。
1,怪我がなければ慰謝料は請求できない
原則として、交通事故に遭っても怪我をしていなければ慰謝料を請求することはできません。
慰謝料とは、名誉、身体、自由などを傷つけられた場合に発生する権利の侵害や、精神的苦痛に対して金銭的な賠償を求める損害賠償の一つです。したがって、交通事故で怪我を負ってしまった場合はこれに該当するのですが、怪我がなく車に傷がついたなどの事故であれば、慰謝料を請求することができません。
2,怪我がなくても請求できる損害賠償
交通事故で怪我をしていなければ慰謝料の請求はできないという話をしましたが、事故に遭っても怪我がなければ何も請求できないのかというとそうではありません。基本的に、片方の過失で交通事故が起き、もし車体に傷がついたり破損したりした場合は修理費などを請求することができます。
慰謝料請求できる事故とできない事故
1,物損事故と人身事故
交通事故には事故の種類が大きく分けて2つあります。
・物損事故
1つは物損事故というものです。先ほど、怪我がない事故は慰謝料が請求できないという話をしましたが、その怪我がなく乗っている車やバイク、家屋やガードレールなど物にダメージがある場合の事故を物損事故と言います。少しの傷であったとしても傷が入った場合は全て物損事故になります。そしてペットなども物の対象として捉えられるので、慰謝料請求の対象にはならないので注意が必要です。
・人身事故
もう一つが人身事故です。被害者の身に何らかの怪我や症状がある事故を人身事故と言います。この事故は、被害書の生命・身体に危害を加える事故になるので、この場合は慰謝料請求の対象になります。通常、怪我を負う事故の場合、物への損害があることがほとんどだと思いますが、その場合は人身事故として判断されます。
2,物損事故を人身事故に切り替えたい
よくある例として、事故から数日後に体の痛みに気づき、慰謝料や治療費を請求するために、物損事故から人身事故へ切り替えたいということがあります。この場合は認められれば変更可能です。厳密な期限などもありません。ただ時間が経過しすぎてしまうと事故と怪我の関係が見出せず、人身事故に切り替えることが出来なくなってしまうので気をつけましょう。
①病院で診断書を作成する
②警察に病院でもらった診断書を提出する
③警察が人身事故の捜査をし判断する
以上が人身事故へ切り替える時の一連の流れになります。いざという時のために流れを押さえておくと良いでしょう。
まとめ
ここまで怪我を伴わない交通事故に遭った際の行動を紹介しましたがいかがだったでしょうか。怪我はなかったけどこの後どうすればいいのかなど、具体的に知らなかったという方も多かったと思います。交通事故に遭い、どうすればいいのかわからなくなってしまった場合はこの記事を参考にしていただくと良いでしょう。
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