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  • 公開日:2022.09.19
  • 更新日:2022.09.04

交通事故に遭った際の正しい慰謝料の請求方法・慰謝料請求の流れ・注意点

交通事故に遭うと被害者は、加害者に賠償金や慰謝料を請求することになると思います。しかし、いざ請求しようと思っても何から始めたらいいかわからない方も多いでしょう。本記事では交通事故に遭った際にどういう流れで請求するかなどを紹介しています。せひ参考にしてみてください。

慰謝料について

事故が起きた時によく慰謝料という言葉を耳にすると思います。ですが、それが一体どういうものなのか理解できずにいる人も多いと思います。まずはその慰謝料ついて紹介します。

1,慰謝料とは

慰謝料とは一体何なのかというと、精神的損害に対する賠償金の一種です。もう少し詳しく説明すると、事故や違法行為によって受ける、名誉、身体、自由へのダメージを金銭に換算して、その損害を償うためのものを慰謝料と言います。その名の通り、加害者によって与えられたなんらかの身体的または精神的苦痛を慰謝する損害賠償のことを指します。

2,交通事故の慰謝料の種類

実は、交通事故の慰謝料には3つ種類があることをご存知でしょうか。それが以下の通りです。

入通院慰謝料(傷害慰謝料)

入通院慰謝料は、交通事故による入通院で被害者が受けた肉体的・精神的苦痛に対する補償として支払われる賠償金です。傷害慰謝料ともいい、交通事故によって怪我を負ってしまった場合、後遺障害の有無に関係なく加害者側に請求できます。
交通事故後により苦痛・不安を感じ、入院や通院を余儀なくされた場合は入通院慰謝料として加害者側に補償を請求しましょう。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故により後遺障害が残ったことで将来にわたって受け続ける精神的苦痛に対する補償です。後遺障害慰謝料の場合、後遺症が残れば必ず請求できるというわけではないので注意が必要です。

実は、後遺症は「後遺症」と「後遺障害」という2つの分類に分けられます。
後遺症」とは、交通事故などによって得た怪我が完治せずに残り続けてしまっている症状のことです。

後遺障害」とは、後遺症のうち後遺障害等級が認定された症状のことを指します。
後遺障害慰謝料は、交通事故で残った後遺症に対して後遺障害等級が認定されないと請求できません。後遺障害等級の認定を受けるためには申請手続きをして、審査を受けなければならないので注意しましょう。

死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、交通事故の被害者が不幸にも死亡してしまった場合に支払われる慰謝料のことです。交通事故にあった被害者がしばらく入院した後に死亡した場合は、亡くなったことに対する死亡慰謝料だけでなく、亡くなるまでの入院についての慰謝料も発生します。そして、この慰謝料は亡くなった本人に対しても支払われます。実際被害者自身は亡くなっているのでこの場合、慰謝料を受けるのは被害者の相続人になります。

3,交通事故における慰謝料の相場

慰謝料は精神的およびに身体的に苦痛を受けた場合に得られる賠償金と説明しましたが、具体的にどのような相場感なのでしょうか。交通事故の慰謝料を実際に請求する場合、具体的に慰謝料の金額がいくらになるのかということを確定させなければ手続きを進めることはできません。

交通事故で怪我を負った場合に請求できる傷害慰謝料(入通院慰謝料)は、入通院1日から請求できます。慰謝料には基準が3つあり自賠責保険基準、任意保険基準、裁判基準の3つになります。相場の高さは左から順番に高くなっていきます。

自賠責保険の場合は日額が4300円と定められており、その金額に対象日数(治療期間もしくは実際に通院した日数×2)をかけたものが慰謝料になります。一方、任意保険基準は一般には公開されておらず、保険会社ごとに定められています。そして裁判基準の場合はこの2つより相場が高くなります。3ヶ月通院した場合の金額相場がこちらになります。

  • 自賠責保険基準  344,000円
  • 任意保険基準   378,000円
  • 裁判基準     530,000円

※任意保険基準の場合は保険会社によって変わるのであくまで目安になります。

慰謝料の相場感を掴むための参考になればと思います。

慰謝料請求の流れ

ここまで慰謝料についての解説をしましたが、請求するためには事故が起きてからどのように行動をするべきなのかを流れに沿って今から紹介していきます。

1,事故発生直後の注意点

事故発生直後はまず怪我人の安否を確認をしましょう。そしてその後一番欠かせないのが警察への連絡です。交通事故にあった際はすぐに警察へ連絡しましょう。速やかに連絡することで事故当時の状況説明にも事故の状況をより鮮明に説明できます。この場合、一番良くないのはその場で示談にしてしまうことです。その場で示談にしてしまうと、後から思わぬ怪我に見舞われたときや示談を取り消したいときに、被害者が損をすることになります。示談は簡単な口約束でも成立してしまうので、その点はくれぐれも注意しましょう。

2,保険会社への連絡

交通事故遭った際は必ず保険会社への連絡を忘れないようにしましょう。通常、交通事故で車が壊れたり怪我を負ったりした際は、相手方から保険金を受け取ることが一般的です。加害者であれば双方の保険会社に連絡することが普通かもしれませんが、被害者であっても保険会社に連絡をするようにしましょう。そして、加害者は保険料の等級が下がるのを恐れて示談で済ませようとすることもあります。被害者側も小規模な事故であれば、面倒になることを拒み示談を了承してしまうことがありますが、事故が起きた場合は必ず保険会社に連絡をするよう覚えておきましょう。

3,病院へ行く

事故に遭い、体のどこかに異常を感じたら即座に病院へ行きましょう。事故直後から痛みなどの症状を感じる場合ももちろんありますが、事故当日はあまり症状を感じず、数日たち後から症状が出てくることも少なくありません。この場合、事故が起きてから期間があいた状態で病院へ行くことになるので、事故との因果関係を証明できず、治療費などを受け取れない恐れが出てきてしまいます。そうならないためにも体に症状が出なくても事故直後は速やかに病院へ駆けつけることをおすすめします。

4,後遺障害診断書の作成

もし交通事故によって精神的・肉体的に障害を受け、それがこの先治る見込みがないと判断された場合は医師に後遺障害診断書を作成してもらうようにしましょう。先ほど事故後はすぐに病院へ行くことをおすすめしましたが、整形外科で診断を受ける前に接骨院にかかると、交通事故との因果関係が証明できず、後遺症診断書の作成が困難になってしまう恐れがあります。交通事故治療の場合には整形外科へ通いましょう。

後遺障害診断書を作成するとどうなるのかというと、後遺障害等級が認定され、症状が後遺障害と認められます。そうすると後遺障害慰謝料を受け取ることができます。後遺障害が残ると、将来にわたって日常生活の中で不便を感じたり、後遺障害が残ったことという精神的苦痛に対して支払われる金銭が後遺障害慰謝料です。ですので、もし仮に交通事故に遭い後遺障害が残った場合は申請するとよいでしょう。

5,示談交渉

交通事故後のやり取りの際、最も重要なのが示談交渉です。示談交渉とは、加害者側と被害者側が、裁判以外の場で損害賠償金額に関する話し合いをすることを指します。交通事故の場合、基本的に当事者同士で示談交渉をすることはなく、加害者の保険会社との交渉になります。そして、ここで慰謝料などの賠償金についての話し合いをして金額の交渉をします。そこで注意したいのが、示談が成立してしまうと、その合意内容を後から撤回することはほぼ不可能です。なので少しでも納得いかないことがあった場合は交渉が成立する前に申し出るようにすることが大切です。

慰謝料請求の注意点

1,慰謝料請求の期限

交通事故で被害者が加害者に慰謝料などの損害賠償を請求できる権利を損害賠償請求権と言います。しかし、長い期間何もしていずにいると時効でその権利がなくなってしまうことがあります。その期限は、事故が起きた場合はその日から5年間で、加害者が損害を後から知った場合はその日から5年間で、物損事故の場合は3年で時効になります。これを知り、示談交渉が長引いて損害賠償請求権が時効によって消えてしまうことを不安に感じている方もいるかと思います。ですが、損害賠償請求権の時効は訴訟や加害者の保険会社の容認があればリセットや中断が可能になります。なので、損害賠償請求権の期限で悩んでいる方はぜひ一度、弁護士や保険会社に相談してみるのが良いでしょう。

2,慰謝料に税金はかかるのか

慰謝料を受け取れることになった場合、受け取るにあたってこれらのお金にも税金がかかるのか知りたいかたも多いでしょう。では実際、慰謝料には税金はかかるのでしょうか?結論から話すと交通事故の慰謝料に税金はかかりません。ですが、慰謝料とは違う他の賠償金ですと、事故の被害に対して明らかに多額の賠償金が支払われることになった場合や、被害者にもわずかながら非があった場合は課税の対象として処理されることもあります。しかし、慰謝料は精神的苦痛を償うためのものなので受け取っても利益にはなりません。したがって、慰謝料に税金はかからないというのが一般的です。

まとめ

今回は、交通事故の慰謝料についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。交通事故は、減ることはあってもなくなることがないのが現状です。自らが交通事故にあったときはもちろんのこと、身の回りの人が交通事故に遭った場合のためにも今回のような知識を知っておくことが大切です。慰謝料など、賠償金の話題は非常にシビアな内容ですが知っているだけで損することを防ぐことができます。ぜひ今回の内容を覚えておくと良いでしょう。

この記事の筆者

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